首里手愛好会/Society_of_shurite_fans

空手の型をやっていて思うこと

柔術

 これまで、“柔術”という言葉を何度か使用したので、柔術の起源をさらっと調べてみた。過去の投稿の中でも同じようなことを書いていたかも知れない。その場合、ご容赦。また、ネット情報によるものであり、キチンとした文献で調べた訳では無い。再度国立国会図書館に行くことがあれば、以前紹介した「日本武道・武術大事典」や「日本の古武道」にも載っていると思うので確認してみたいとは思う(が最近行っていない・・)。

 柔術の発祥は平安時代の相撲や組討ち、人を捕らえるための捕手等に遡り、相撲の起源は古くは日本書記(奈良時代・・)に遡るらしい。ただ、日本書記の内容は“足を上げて攻撃しあい/肋骨を蹴り折り”等のようである。相撲というより柔術の起源と言った方が筆者のイメージには合う・・。

 柔術が体系付けられたのは戦国時代で、最古の流派は、天文元年(1532年)の竹内久盛による竹内流ということであった。琉球王国で取手(柔術)が流行ったのが1596-1615年頃(@沖縄一千年史)ということなので、日本本土で体系付けられ、全国に普及していく過程で琉球王国にも伝承したものとすると時間的にも整合は取れそうだな、と思っている。

 ただ、琉球史「球陽」に“手”の使い手として記載されている京阿波根実基の話は1523年なので、京阿波根実基の“手”は柔術がまだ体系付けられる前のものだったようである。津波高志氏の“沖縄の空手”に解説されている戦い振りを見ると、匕首で襲ってきた“童子の両股を折破”=“下半身への強烈な蹴り”という解釈のようなので、日本書記の相撲の起源と言われるものに近いように思われる

 

 現在の横浜の寮の近所で“柔術”の看板を見つけたので行ってみようかと思ったが・・。その道場から出てくる若者をたまたま見かけたら、それは大学柔道部員のような体格の人物であった。筆者が持つ柔術家のイメージとはほど遠い。頸椎や椎間板に異常を指摘されており、手足にしびれが出ている状態で、さすがに止めておいた方が良さそうである。まだ子供達は社会人になっておらず仕事ができなくなると困る。取手の練習をしたいものだと思っていたがやはり、空手の型だけにしておこう。