首里手愛好会/Society_of_shurite_fans

空手の型をやっていて思うこと

祝嶺正献先生

 Youtubeを開いたら祝嶺先生の顔が目に入ったので見てみた。玄制流道場の指導員/道場生とのやり取りを納めたもので、他に祝嶺先生の考え方を直接聞いたことはなく(著書は別として)、筆者にはとても貴重な内容であった。

 

 玄制流空手道 創始者 祝嶺正献先生による型の説明と考え方。An explanation of Gensei Ryu Kata by the founder of Gensei Ryu Karate. - YouTube

 玄制流空手道 創始者 祝嶺正献先生による型の説明と考え方 Part2. An explanation of Kata by the founder of Gensei Ryu Karate. - YouTube

 玄制流空手道 創始者 祝嶺正献先生による型の説明と考え方 Part3. An explanation of Kata by the founder of Gensei Ryu Karate. - YouTube

 

 一つ目の動画の最初の方でS.I先生の名前も出ていた。「祝嶺先生がご指導されていたS.Iさんと会う機会が有り・・」と、流石に玄制流では知られた方のようである。

 この動画のやり取りの中で意外だったのが、祝嶺先生の考えとして型は時代、人によってどんどん変化するものであり、それが当然だとの話である。確かにS.I先生もよく「ここは、昔はこうだったのだけどこう変えたんだよ」という話をされていた。筆者は以前書いたが、特に流派を代表するような指導者であれば型は極力教えられた原型のまま伝承し、人それぞれの解釈があるなら「こういう解釈もあるよ」と教えるべきだと思っている。祝嶺先生の考えだと、それでは進歩がないのかも知れない。原型は知った上で、それはそれとしていろいろ考えろと言うことか。

 ただ、面白かったのがワンカンについて、指導員(?)が「従来教えられた通りだと、最後に元の位置に戻れない。だから最後に一歩踏み込んで手刀受けを入れるようにした。」と言う説明をしたところ、祝嶺先生はあっさりと「それはやらない方が良いね」と仰っておられたことである。型の細かい動作や解釈はどんどん変化しても良いが型そのものを改変するようなことは止めた方が良いということか・・。「天・地・人や三才は元の位置に戻るように創ったが、古い昔の型は必ずしも元の位置に戻らないしそこはそんなに拘る必要はない」そうである(言い方は違ったかも知れない)。

 また、指導員(?)が「型の動作で手刀受けから取手受けに変えられた部分があるようであるが?」 と質問したところ祝嶺先生は「取手受と手刀受ってどう違うの?」と仰っておられ、思わず笑ってしまった。両者は受けとしては同じ物で、受けた後に引っ掛けて捕まえるのが取手ということである。

 あと、“教えられたまま”と言うワンカンの演武もあった。玄制流宗家を名乗る方の教本ベースで覚えた型と前屈・後屈や細かい動作が微妙に異なっており、筆者には大いに参考になった。こういう動画、お持ちの方はどんどん公開して戴けないものか・・・。