首里手愛好会/Society_of_shurite_fans

空手の型をやっていて思うこと

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

棒術の伝承

「日本武道・武術大事典」、及び「日本の古武道」に棒・杖術の項があり、目を通してみた。 それによると古くは源平合戦から関ヶ原までの間、槍や長刀の刃先を折られ、残された柄で戦い棒・杖術に開眼した、と言う説が多く(確か富名腰着珍著の書でもそのよう…

掛け手・取り手-唐手が捨てたもの

先日紹介した日本武道・武術大事典に記載されていたことであるが、唐手が日本武徳会に承認された頃は、唐手は柔道・柔術の1バリエーションとの位置付けであり、本土普及に当たって柔道・柔術との差別化を図るためには掛け手・取り手を封印して打撃技に特化し…

雑談―流派について

先日、近・現代史にて空手の流派は当初武徳会に登録するためのものであり、沖縄では便宜的な物、本土では競合相手、との主旨のことを記載した。 空手経験者と話をすると、自分の流派が一番で他流派は○○が悪い等を言い出す人が多い。筆者は昔っからそれに疑問…

本部朝基氏の唐手

先に“日本武道・武術大事典”に基づく空手組織の近・現代史を掲載したが、同書を見ていて違和感を感じた箇所があったので原文そのまま紹介しておく。 「本部朝基は武才に秀でていたが、三男だったため一子相伝のお家芸であった本部御殿手は正式に学んでおらず…

空手の組織-近・現代史

先日、今の職場の方のお子さんが中学校の体育で空手をやることになったとのことで、「空手って全体の元締めみたいな組織はあるんですか?」と質問を受けた。筆者は「百流百派と言われる状態で全体の元締めはありませんね。大きくはオリンピックに代表される…

琉球新報ー沖縄の武技

コロナ禍の影響もあって関東に転勤となったこともあり、いつか国立国会図書館に行きたいと思っていた。まん防解除に伴い、2月中頃から規制が少し緩和されていたようなので、昨日行ってきた。 いくつか確認したいことがあったのだけど、ついでに琉球新報の191…

天の型

以前、組手について書いたことであるが、玄制流は一歩下がって受ける。大学空手部は一歩前に出て受ける。 競技空手は一歩下がって相手との間を作って攻撃に転じるが、元々の首里手としては前に出て相手の攻撃を躱して背後を取るか、或いは合気道のように相手…

欠伝型―ワンダウ(2)

ワンダウ(らしき型)には開掌で下段交差受けのような動作の部分がある。ただ、岩鶴のように両手で同時に受けるのではなく、左斜め前方へ左前屈で踏み出し、左下段掌底から右下段掌底で交差受けのカタチになる(次に右斜め前方に左右逆で同動作)。この部分…

ナイハンチ(23)

以前目を通した文献でも、稀に思わぬ気付きがあるのでときどき気の向いたときに読み返すことがある。 富名腰義珍著「琉球拳法唐手」でナイハンチの挿絵を見ていたときにふと、波返しから外側へ小手受けをするときの手の形が気になった。受け手は手の甲が外側…