首里手愛好会/Society_of_shurite_fans

空手の型をやっていて思うこと

欠伝型-玄制流の阿吽の型(2)

 玄制流の阿吽の型はS.I.先生から教わったが、「祝嶺先生が新空手道教範に載せなかったんだよなぁ」との話を聞いてノートに当時、その動作を書いておいたと記載したことがある。

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それに対して、玄制流をやっているという方から、そのノートを見せてくれませんか、とのコメントを戴き、出せそうなら当ブログに載せておきますと回答したのでそのまま載せておきます。自分用の備忘録なので、いろいろ、ご容赦下さい。

 一度でも教わったことのある人なら多分、これだけで十分判ると思いますが、全く知らない人は多分無理でしょうから以下、補足を書いておきます。番号は上記ノートと同じ箇所を意味しますので、ノートと合わせてご覧下さい。筆者のイメージでは「この型は太極拳から来ているのかな?」と思ったくらい、呼吸に合わせてゆっくり、大きく動く型です。また、玄制流の型は通常、相手側に真っ直ぐ足を向けますが、ここでの不動立ちは20°くらい、相手に対して体を開いたカタチです。

 

① 用意は玄制流の空手型教本に掲載されているワンカンやローハイの用意と同じです。両手開掌のまま合わせて下ろした状態。

 

② 右上に方向を記載していますが、文章中の前後・左右は固定座標系なので左と言ったら最初の用意の姿勢の時の左方向を意味します。最初の捕手は左手開掌で中段外受け(流派によっては内受けと称します)から手のひらを返して取手。船越義珍の半月の取手と同様。そして不動立ちのまま寄り足で左手を腰に引きつつ右掌底逆突き。左にもう一歩踏み込んで(不動立ち)右手で取手、寄り足で左手掌底逆突き。

S.I.先生からは、歩幅を大きく取って腰を落とし、受け動作の時にゆっくり呼吸を吸い、逆突きでゆっくり吐く(動作もゆっくり)と教わりました。吸ったら下丹田に落として腹の底から吐き出すようなイメージ。

なお、現在自分で練習する際はゆっくりとした動作で受け・逆突きを一挙動として、用意から受け動作に入るまでに吸い、受け動作から逆突きまでゆっくり吐くようにしています(参考)。

 

③ 右方向に同じ動作となりますが、以前も記載した通り、振り返り動作の際は差し足をして一度えの字立ちになってから振り返り動作となります。振り返り動作は以後同じ。

 

④ 上記③で2回目の逆突き動作は、左足が右側に出た形になっているはずです。沈身は左足を引いて左側に玄制流の左足の前屈立ち(大きく)、顔の向きは右側です。右側の相手に対して大きく引いて体を沈めた状態。沈身になりつつ左手は開掌で顔の前をガード(手のひらが右側(外向))、右手は開掌で右方向に下段払いから左手を左腰にひきつつ、右手中段外受け→手のひらを返して取手。そこから右方向への右足前屈となり、左掌底逆突き。全て呼吸に合わせて教わったのは沈身、右手捕手まで吸気、逆突きで吐く。

 

⑤ 右足を引いたところで用意の位置に戻ると思います。前を向いて左足前の猫足立ち。左右に弧鎚受け(両腕を開く形)・中段両手掌底受け(右手で左へ、左手で右へ。両腕を閉じてクロス)、上下(右手上、左手下)弧鎚受け、上下(右手下、左手上)に掌底受け。この間、吸気。

 

⑥ 峯手の際の不動立ちは右足前で体は左向き(目付は前)となります。峯手は右手。左手は腰。教わったのは⑤が吸気、上段掌底から峯手が呼気。ゆっくり呼吸に合わせて。

 

⑦ 左足は前方に挿す。えの字立ちになってから回転し不動立ち。両手を腰に引く。ここまでは息を吸いながら。ここから息を吐きつつ右方向への右手中段、左手下段で両手掌底突き。玄制流の基本型にも両掌突きがあったと思うので(今、パッと思い出せません)その要領ですが、基本型にある中段・下段の受け代え動作は入りません。右足を挿すのも前方へ。左側に同じ動作。中段・下段は左右逆になります。

 

⑧ 息を吸いつつ右方向へ左手中段外受け(握り拳)、吐きつつ・左手は腰に引きつつ逆突き(握り拳)。右へもう一歩進み、左右逆手の同動作。

 

⑨ 右足を左側に挿して左側に左右逆の⑧同動作。

 

⑩ 左側に左足が出ている状態なので、それを引いて前方へ向いて左足一本で鷺足立ち(吸気)になりつつ左手は開掌で顔面ガード、右手は開掌で下段に落とす。玄制流のローハイに出てくる形と同じ。

 

⑪ 右足を挿す方向は後方。回転して不動立ち。左手を右腰、右手は前方への牽制(抜き手)してから左手で前方への取手(開掌での中段外受けから手のひらを返す)。ここまで吸気。吐きつつ右手掌底逆突き。

 

⑫ 省略

 

⑬ 右後方に右前屈立ちで沈身。顔は左前方。右手開掌で顔面カバー、左手開掌で下段払いから中段外受け→手のひらを返して捕手。ここまで吸気。吐きつつ右足を左前に進めて取った相手の腕の肘に右掌底突き。左手は腰。左斜め前の相手に対して電光へ左掌底逆突き。

 

⑭ 右足は湾曲に一度引いてから右前へ。右前に⑬と左右逆で同動作。

 

左足を左後方へ引いて左後方へ前屈。顔は右前。開掌で左手顔面カバー、右手開掌下段払いから中段外受け・手のひらを返して捕手(左手は腰へ引きつつ)。ここまで吸気。右前へ右足前屈となり、呼気で左掌底逆突き(電光狙い)。そのまま正面へ左手帆立構え。左足を引いて前方へ八字立ち(用意の姿勢)となって直れ。

 

いろいろな教本とか見てきて、動画かせめて写真を載せないと/文章では難しいだろうな、とは思いつつ。当時、玄制流のワンカンやローハイの存在を知りませんでしたが、用意の姿勢、鷺足立ち、掌底の使い方等、共通点が多いですね。もし、これも比嘉清徳氏から祝嶺先生に伝わった型であれば、玄制流以外に残っていそうな気もしますが・・。

玄制流の型(2) - 首里手愛好会/Society_of_shurite_fans

 

上記文章中、捕手と取手が混在していますがワープロの変換を一々直さなかっただけで同じ意味です。

 

ちなみに、はてなブログで丸番号は使いにくいですね。