首里手愛好会/Society_of_shurite_fans

空手の型をやっていて思うこと

空手の組織-近・現代史

先日、今の職場の方のお子さんが中学校の体育で空手をやることになったとのことで、「空手って全体の元締めみたいな組織はあるんですか?」と質問を受けた。筆者は「百流百派と言われる状態で全体の元締めはありませんね。大きくはオリンピックに代表される競技空手、極真会に代表されるフルコン空手、それらに属さない伝統的な空手の3つに分けられますがそれぞれの中にいろいろ団体があります。」と答えておいた。

先日、国会図書館に行った際に“日本武道・武術大事典”というのを見つけたので空手と棒術に関する箇所をコピーして来たが、そこに空手の組織の説明があったので整理してみた(一部追加調査・追記した)。

 

スマホで見えるだろうか・・)

 

1930年代に流派乱立時代になったようであるが、元々は本土で普及させるには武徳会に登録する必要があり、武徳会に登録するに当たっては流派を名乗る必要があってのことらしい。但し、同書によれば各流派の流祖から1・2代遡れば同一の師に辿り着くとのことで(そりゃそうだろう)、沖縄では2人以上の師に教えを請うこともあり、流派が違っても同門ということが多く、普通に相互交流もあり、便宜的なものだったそうである。同書を読んでいても、沖縄では流派によらず統一的な組織を作ろうとして協力的に比較的自由な(縛りが緩やかな)/交流の場として協会や連盟が設立されたように感じられる。

一方で、本土では流派が異なれば競合相手、血気盛んな学生が主だったこともあって、40年代から競技化の大きな流れがあり、その流れの中で

日本空手協会

全日本学生空手道連盟

全日本空手道連盟(及び錬武会

が順次設立されたようである。

筆者はオリンピックに代表される競技空手の元締めはスポーツとしての普及発展・競技化を目的に設立された協会だろうと思っていたが、同書で見ると元締めと言うなら全日本空手道連盟全空連)と言った方が正しそうである。筆者には直接は関係無いのでやはり“ふぅ~ん”って感じであるが、今度質問を受けることがあればそのように(競技空手の元締めは全空連と)答えようと思う。

 

なお、本部流のブログで「琉球古武道大鑑」「沖縄空手古武道事典」等が紹介されているのを見つけた。今度国会図書館に行くことがあれば武士武村や岸本祖孝氏、佐渡山氏のこと、欠伝している型(チンス、ワンダウ等)のこと等、載っているかどうか一度見てみたい。