首里手愛好会/Society_of_shurite_fans

空手の型をやっていて思うこと

ナイハンチ(24)―「私の唐手術」に基づく立ち方

先日、国会図書館の関西館から本部朝基氏の「私の唐手術」のコピーを郵送頂いた。申し込んでから2週間弱・・・。コピー代は2,268円。

内容は以前、文献として紹介したことがある岩井琥珀著の「本部朝基琉球カラテ」と同じであるが(復刻版と言うことなので当然であるが)、やはり原本で読むと気のせいとは思うが趣が違う。迫力を感じる。旧仮名遣いのせいだろうか・・。

何度も読んだ内容ではあるが、今更ながらに立ち方に関する解説が気になった。

「基本姿勢は・・・何れの場合と雖も八文字立で、八字形に爪先を開き、足と足との間隔は人によって多少の差異はあるが、大凡一尺五寸位を基準としたらよからう、・・・この型は、人間が歩む時の自然の形からきたもので、・・ナイハンチ第三図の立ち方も、この八文字型である。」

一尺五寸は約45.3cm。ナイハンチ第三図は最初に背手を出して右に踏み込んだ時の写真である。

写真が暗いのではっきり見えないが、他の写真を見る限り、爪先(内面側)は左右でほぼ平行になっており、八字形に開いているようには見えない。膝はやや外に開いているように見えるが、PCを置いて自撮りしながらやってみると特に内側にすぼめたり外側に開いたり意識せず、自然に腰を落としたときの形のようである。

 

本部朝基氏の身長は五尺四寸(約163.5cm)ということなので(@キングの記事)、写真から計り取りするとナイハンチの歩幅は50cmくらいだろうか。

 

富名腰義珍氏も琉球拳法唐手のなかで、ナイハンチの立ち幅は一尺五寸と書いている。富名腰氏の身長は145cmということなので(ネット情報であり真偽不明であるが、150cm以下だったとの別の記事もあり、当たらずとも遠からず)、本部氏の50cmから身長比で計算すると約45cm(一尺五寸)となる。

 

筆者は178cmなので、同様に身長比で見ると適切な歩幅は約54cmとなる。よく、騎馬立ちの歩幅は膝下長さ+拳一つ分と聞くので確認すると正にそのくらいであった。

 

なお、同書の後半に組手として第一図~第二十図の写真が掲載されている。第一図~第七図はナイハンチに出てくる諸手突きの応用動作、第八図~第十八図は受け替えの応用動作のようである。一部、猿臂や下段払い・鉤突きの応用かな、と思われる箇所もある。

 

一度、この人の教えを直接お聞きしてみたかったものである。