首里手愛好会/Society_of_shurite_fans

空手の型をやっていて思うこと

ナイハンチ(23)

以前目を通した文献でも、稀に思わぬ気付きがあるのでときどき気の向いたときに読み返すことがある。

富名腰義珍著「琉球拳法唐手」でナイハンチの挿絵を見ていたときにふと、波返しから外側へ小手受けをするときの手の形が気になった。受け手は手の甲が外側を向いており、縦拳に見える。以前、ナイハンチの解釈でこの部分は突きと解釈することもできると書いたことがあるので、筆者にその先入観があるのかも知れない。

また、反対の手は平行構えで相手の攻撃からのガードと教わったが、当時はこれでガードできるものだろうかかと疑問に思っていた。小手受け前の外受け・裏拳時にはその平行構えの手首の上に肘を乗せると教わったが、同書を見ると小手受けの時にほんの少し肘より前・上に出して掌側を相手に向けているようにも見える。やってみると両手で相手を掴んだ状態で小手受け側の肘で平行構え側の手を押さえているか、平行構え側の掌で相手の攻撃手を押さえているか。これなら平行構え=ガード説も理解し易い。

改めて「錬膽護身唐手術」の写真を見ても手の形は上記挿絵と同じようである。当時の富名腰義珍先生の解釈が形(カタチ)に現れているのだろうか。

但し、他の型も含め、当時の写真を見るとそんなに細かく形を気にしていたとは思えないので、たまたまなのかも知れない。

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真似するとこんな感じ。気になる人が居たら、原文で確認して下さい。国立国会図書館からインターネットで公開されていることは以前紹介したので。