首里手愛好会/Society_of_shurite_fans

空手の型をやっていて思うこと

柔術(2)

 GWに自宅へ戻った際、何となく本棚を眺めていたら「古流柔術」という本が目に止まった。最近柔術について記載したことが何度かあり、どんな内容だっけ、と思って手に取ってパラパラ見てみた。見覚えが無い・・。発行年を見たらS63年重版発行となっているが同時期は筆者は修士2年で修論のまとめと就職で頭が一杯の時期。さらにその後20年間は仕事に必死で空手とか考えている余裕は全く無かった。

 恐らく、45過ぎて以降、古本で買って後日読もうと思いつつ本棚に置いておいて失念した、ということか・・。

愛隆堂

  ↑これ。

 

 改めて目を通してみた。

 まず、柔術の技は大まかに「投げ技」「固め技」「当て身技」の3つに分類でき、その中でも当て身技は活殺のコントロールが難しく、あくまでも補助的な技の位置付けということである。その当て身の極意としては、真に力を抜ききってグニャグニャの柔らかい拳で、相手の内部に拳がめり込んだところで気を丹田に落とし、衝撃を打ち込んでやるとのことである。江上先生の空手の突きと同じような・・・。

 

 また以前、相手の突き手の躱し(体を開いて躱す)について記載したことがあるが(➤躱し/Avoiding - 首里手愛好会/Society_of_shurite_fans)、体捌きとして同じ内容が書かれていた。

 驚いたことにこの筆者は沖縄古流の空手についても造詣が深く、首里手那覇手等に関する記載もあった。他にも(これがメインであるが)、柔術の技が豊富な写真・図で解説されており、とても参考になった。船越義珍の空手道教範に掲載されている投げ技等の組手写真との共通性も感じられた。更に/当然ながら柔術の各流派、大東流合気道等に関する解説も出てくる。

 なお、以前日本書記に書かれている"相撲”は、その技から相撲と言うより柔術に近い印象を持った旨を記載したことがあるが、当時は現代の格闘技のようなもの全て”相撲”と称していたそうである。

 

 現在売られているのかどうかは知りませんが結構面白いなと思いました。興味がある方は原書でご確認下さい。